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トップ > 画像加工ソフト イメージカット > イメージカットを使用したリトフェインの加工例
リトフェインの発祥は中世ヨーロッパと言われており、大理石を削り裏からの光を当てることで絵として浮かび上がらせるものです。
丁度、写真のネガフィルムと同じ原理で、加工した製品は光を通すことで驚くほど鮮明に見ることができます。
<素材の準備>
素材は4mm〜6mm程で、光を通しつつも厚い部分は遮断する性質の材料が向いています
白や乳白色のアクリルでもOKですが、光の透過性や加工性の良さを考えると
リトフェイン加工には、デュポンのコーリアン(4mm〜6mm程度)が最適かと思います。
<ソフトの設定とNCデータ作成>
@ ImageCutを起動して画像を読み込みます
必要に応じて画像の処理を行いますが、画像に問題が無ければ特に必要はありません
A次に「変換」タブをクリックします
B「連続加工」を選択して最初に荒取り用データ作成のための設定を行います
C各項目の設定
工具の種類...ボールエンドミルを選択
直径...3.2mm (この場合はR1.5のエンドミルを使用して0.1mmの仕上げ代が付きます)
精度ピッチ...荒取りの場合は一番荒い設定でOKです
オフセット...この設定は使用工具の直径を考慮して干渉チェックを行いますが
リトフェイン加工では常に荒い設定で十分です
出力サイズ...加工する大きさに合わせます
ピッチ...R1.5ボールエンドミルを使用した場合の荒取りはピッチ1mm程度でOK
深度...濃淡の高さになりますが、仕上がりで3mmの予定なので仕上げ分を少し浅くしています
加工方法...通常は往復で問題ありませんが、剛性の無いマシンでは一方向もお勧めです
反転変換...リトフェイン加工では必ず反転にチェックしてください
D設定が終了したら「変換実行」ボタンを押して画像から出力用数値に変換します
※ 変換が完了すると自動的に「パス表示」タブ(カッターパス描画画面)に切り替わります
Eこの画面では加工軌跡の表示を確認したりNCデータとして出力する際の設定を行います
今回は6mmの板材を使用して3mmの段差に設定しているため
Z原点を-2mmの位置に設定しています
(一番厚い部分で4mm、薄い部分で1mmになる計算)
※ パス画面ではマウスの左ボタンで移動、右ボタンで回転、ホイールで拡大/縮小の操作が可能です
設定が完了したら、「NCデータ出力」ボタンを押して、ファイルに保存します
F次に仕上げ用のNCデータを作成しますが
その前に、メインメニューの「ファイル」から今まで設定した荒取りデータを保存しておきます
「変換」タブを押して工具とピッチの設定を変更します
直径...仕上げはR0.5mmのボールエンドミルを使用します
精度ピッチ...仕上げ加工なので、精度ピッチを細かく設定します
ピッチ...工具の直径と種類を考慮して細かく設定します(今回は0.15mm)
深度...濃淡の段差を3mmに設定
後は、DEの操作で仕上げ用のNCデータを作成して保存します
<実際の加工>
@ ソフトで設定した工具と出力条件に合わせて、工具の装着と各原点を出します
今回は加工する中心部がX0Y0で、加工面上がZ0としています
A後は機械側でNCデータを読み込み加工を行います
←荒取り加工
←仕上げ加工
←完成品
<使用上の注意>
このページで紹介している例では荒取りで最大4.8mmの深さをF1000の設定で加工しています
回転数の出ない機械や剛性の無い機械では工具が破損する可能性がありますので
各数値は使用条件に合わせて設定してください